テクニカル分析解説

ピンバーとは?スパイクハイやスパイクローなど基礎知識を解説


ピンバーとは?

「ピンバー」とは「針のような棒」という意味で、一般的にローソク足の実体部分(始値から終値までの値幅)は小さく、高値や安値は実体から離れたところで形成されます。
いわゆる「上ヒゲ」「下ヒゲ」を伸ばした形状のローソク足です。

「上ヒゲ」「下ヒゲ」を伸ばした形状のローソク足

もっともわかりやすい表現をすれば、ピンバーは「画鋲」のような形をしています。
その形だからこそ、重要な意味合いを示唆、また重要なポイントを教えてくれます。

まず、実体部分が比較的小さいというのは、始値と終値があまり変わらないことを意味します。
日足なら、ロング勢とショート勢が一日の戦いを終えて元の水準(一定のレンジ)へ戻り、「妥協」したことを示唆。
その妥協は戦いの結果であり、実体部分から離れた位置にある高値や安値は一時的にロング勢、あるいはショート勢の優位を示したものです。
しかし、その優位性はあくまで一時に留まり、結局元の水準まで戻ります。
ロング勢とショート勢の戦いをもって、市場における支持帯や抵抗帯が生まれるわけです。

従って、ピンバーは支持帯、あるいは抵抗帯を確認するサインとして利用するのがもっとも相応しいです。
ピンバーが出現している水準は、支持帯、あるいは抵抗帯であることが、より確実視されます。
また、支持帯や抵抗帯がブレイクされると、往々にしてトレンドがさらに進行します。
ピンバーは支持帯や抵抗帯を見極めるサインとしてトレーダーに重宝されます。

豪ドル/米ドル  日足
豪ドル/米ドルの日足チャート

上の実例では、①のピンバーは下ヒゲが長い、つまり安値が実体部分から遠いので、支持帯を示すサインと解釈されます。
その支持帯を下抜けたことは、下落トレンドの進行を示唆するサインと解釈できます。
一方、②のピンバーは、①とは反対に上ヒゲが長い、すなわち高値が実体部分から離れており、抵抗帯であることを示しています。

ここで重要なポイントは、①の日足の安値と、②の日足の高値がほぼ同じ水準であることで、相場における拮抗や「分水嶺」としての水準を鮮明に示していました。
その後、同水準の上方ブレイクが一旦試されたものの、失敗に終わったからこそ、大きな下落トレンドの形成や推進につながったわけです。
なお、③のピンバーも、④、⑤の連続したピンバーも、それぞれ有意義であった上、トレンドの進行や下げ止まりなどの示唆に富みます。

なお、究極のピンバーは天井や底を示すものです。
プライスアクションの視点では、「スパイクハイ」「スパイクロー」と呼ばれており、もっとも強烈なサインのひとつとされます。

スパイクハイとは?

ピンバーと同様の形をするローソク足「スパイク」

スパイクとは、ピンバーと同様の形をするローソク足のことです。
英語のスパイクは「尖っているもの」を意味しますが、正にピンバーの「ピン」の部分のイメージです。

典型的なスパイクハイは、上昇が続いた後に高値を更新、その後高値から押し戻されて大引けしたことを示すサインです。
この前の上昇トレンドが長ければ長いほど、また強ければ強いほど、スパイクハイは相場転換の可能性をより強く示唆します。

スパイクローとは?

典型的なスパイクハイ

一方、典型的なスパイクローは、下落が続いた後に安値を更新、その後安値から買い戻されて大引けしたことを示すサインです。
この前の下落トレンドが長ければ長いほど、また強ければ強いほど、スパイクローは相場転換の可能性をより強く示唆します。
言ってみれば、トレンドが続けば続くほど、重要な高値、安値に差し掛かるピンバーは、トレンドの転換を示唆するスパイクハイやスパイクローになりやすいです。

もちろん、トレンドの途中でもスパイクハイやスパイクローは出現しますが、その後トレンドの転換ではなく、トレンドの一段進行があれば、往々にして「ダマシ」のサインとして解釈されます。
前記の豪ドル/米ドルチャートにおける③のローソク足はその代表的な存在で、下落トレンドの一段進行を示唆するサインと化していました。
これもまたプライスアクションの醍醐味を味わえるところです。

Provided by
陳 満咲杜(まさと)

中国・上海生まれ。
1992年来日、日本語学校を経て日本大学経済学部に入学。
生活費と学費をアルバイトでまかないながら在学中より株式投資を開始。
大学卒業後、中国情報専門紙の株式担当記者を経て黎明期(1999年)のFX業界へ。
香港や米国の金融機関で実務を重ね、トレーダーとしての経験を積む。
GCAエフエックスバンク マネージングディレクター、イーストヒルジャパン チーフアナリストを経て独立。
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

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