テクニカル分析解説

ランウェィ・アップ/ランウェィ・ダウンとは?プライスアクションの基礎知識


ランウェイの概念について、詳細な解説をしていきます。
ランウェイの概念自体、日本の罫線理論にはないものなので、一層面白いと思います。

日足におけるサインの点灯は、一般的に当日の終値をもって判断できるものが多いですが、ランウェイは違います。
何しろ、当日のローソク足がランウェイとして成立するかどうかは、そこから数日(N日)待たないと分かりません。
N日のスパンは事前に読み手によって定義されますが、長いほど蓋然性が高く、また有効と思われ、効き目も長いと推測されます。

ランウェィ・アップ

上の日足チャートは、強い上昇相場におけるドル/円の実例です。

仮に3日のスパンを設定した場合、四角で囲まれる当日のローソク足を基準にすると、その後に3営業日待たないと判断が付かないことです。
3営業日後は陰線で大引けしましたが、ランウェイの条件を満たしたので、立派なサインの点灯と認定できます。

上昇相場におけるランウェイは、当日のローソク足を基準とし、高値は過去N日のすべての高値より高くなければならないと同時に、安値は将来N日のすべての安値より安くなければなりません
前後N日のローソク足自体がどうであれ、このような条件を満たせばサインとして成立します。

ランウェィは、基準となるローソク足と、その前後のローソク足を総合的に見ないと判断できませんが、相場の勢いを確認するにはもっとも有力なサインです。
トレンドは一方向へ走り出すイメージですが、ランウェイ・アップは言ってみれば、走り出した瞬間ではなく、走り出してからしばらくその勢いを保った場合のみ認定されるものであり、一層有力なサインとなるわけです。

実際、この実例では、四角に囲まれる5営業日のローソク足線は、N=2、つまり前後2営業日のスパンだと、すべてランウェイ・アップに当てはまります。
このように、本当に強い相場では連続したサインの点灯です。
勢いの証明として、ランウェイは最強の存在です。

当然のように、Nの数字が大きければ大きいほど、サインの存在感や有効性が大きいと推測されます。
上の実例で示しているように、四角で囲まれる大陽線は、立派なランウェイ・アップのサインです。
前後10営業日が含まれており、非常に強い勢いを証左したわけです。

ランウェィ・ダウン

下落相場におけるランウェイ・ダウンのサインは、以下の条件を満たす必要があります。
当日のローソク足の安値が過去のN営業日のすべての安値より安くなければならない上、当日の高値はその後のN営業日のすべての高値より高くなければなりません
ランウェイ・アップと同じように、連続するほど、またNの数字が大きくなるほど勢いが強く、サインとしての信頼度は高いとされます。

上昇相場における大陽線が強い勢いそのものであったように、下落相場において大陰線は下落の勢いを示す存在です。
上のドル/円の実例では、①と②の矢印が示している大陰線で、かなり長いスパン(Nの数字が大きい)におけるサインを点灯していたからこそ、強力な下落トレンドを推進するエネルギーになったとも言えます。

勢いとはモメンタム、つまり推進力のことです。
モメンタムが強いほど、トレンドがより鮮明化され、推進力が増すので、一方通行になりがちです。
ランウェイのスパンは長ければ長いほど、トレンドを推進するエネルギーが大きいことを示唆します。

要するに、ランウェィは勢いの証明であり、また勢いの結果でもあります。
サインの認定は、一定のスパンを確認しないとできないため、値動きの結果としてのサインと思われがちですが、その結果自体がサインであること、また結果が出たからこそ、トレンドの強さを証明できます。
このサインをトレードに生かせるポイントは、やはりトレンドフォローのほかありません。

Provided by
陳 満咲杜(まさと)

中国・上海生まれ。
1992年来日、日本語学校を経て日本大学経済学部に入学。
生活費と学費をアルバイトでまかないながら在学中より株式投資を開始。
大学卒業後、中国情報専門紙の株式担当記者を経て黎明期(1999年)のFX業界へ。
香港や米国の金融機関で実務を重ね、トレーダーとしての経験を積む。
GCAエフエックスバンク マネージングディレクター、イーストヒルジャパン チーフアナリストを経て独立。
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

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