テクニカル分析解説

プライスアクションの本質とは?


日本の投資格言に、「相場のことは相場に聞け」という言葉があります。
プライスアクションの本質は正にそこにあります。
言ってみれば、プライスアクションは相場のメッセージそのものであって、すべてのテクニカル指標の大本です。

プライスアクションの本質とは?

相場における値動きは相場参加者全員の行動の集大成として生まれるものですが、すべての投資家は「自分は合理的な判断をして行動している」と考えています。
その結果となるのがプライスアクションです。
しかし、プライスアクションは外国語のように、最初から誰でも分かるものではありません
相場自体の言語そのものです。

相場言語であるプライスアクションには、外国語のように単語や文法、文型などの構造要素があります。
それらを理解していないと、相場が明白なメッセージを発しても、知らない外国語のように、何を言っているかは分かりません。
しかし、訓練に訓練を重ねて、単語や文法を身につければ、外国語の意味が次第に分かるようになり、いずれ自由に外国語を使いこなせます。
それと同じで、プライスアクションが分かれば、あらゆる相場の流れや値動きの方向性を自由自在に読み取ることが可能です。

また、相場の言語が分かり、相場の本音を聞ければ、相場が指示してくる方向にポジションを取れる上、エントリーやエグジットのタイミングを計ることも可能です。
プライスアクションの視点は基本中の基本であり、欠かせない存在と言えます。

むろん、問題はそんなに単純ではありません。
なにしろ、個人投資家にしても、機関投資家にしても、頭がよく相場のことを知り尽くしている強者は多数います。
彼らがお互い知恵を絞り合い、チャンスをいち早くつかもうとにらみ合い、相手をワナに仕掛けようと常に戦っています。

そのため、プライスアクションの売買サインが実際にトレードの根拠となるかどうかは流動的です。
聞き手によって、全く違う結果になってもおかしくありません。

考えてみれば、それも当然の成り行きです。
そもそも「相場が今後どうなるか誰にも分からない」という相場の不確実性がなければ、値動きは生まれません。
その不確実性があるからこそ、大きな利益になるような値動きも生まれるのが、金融市場における取引の醍醐味です。
日本語の「結構です」という表現は、果たしてYESなのかNOなのか、その言葉を発する人や、受け取る人によってまったく意味が違ってきます。
それと同じで、相場の言葉をどう解釈するかはトレーダー次第の側面が大きいです。
相場の本音かどうかは、あくまで聞き手次第であることを強調しておきたいです。

よく、京都人は「どうぞ、おあがりやす」と言いながら、実は「早く帰ってほしい」と思っているなど、言葉自体に二重の意味をもたせるといわれています。
よそ者が京都を訪れ、言葉自体の「多重構造」を知らずに振る舞うと悔しい目に遭うことも多いように、為替相場の値動きにも「いけずやわ、ほんまに」と、あとで悔しい思いをする「ダマシ」も多数存在します。

こうした相場の「意地悪さ」「不条理さ」を回避する手段としては、自分が機関投資家などに比べて圧倒的な弱者であることを理解することが第一条件です。
そうすれば、プライスアクションの本質に更に一段と迫ることができます。

プライスアクションの手法

プライスアクションの手法には、「ダマシこそが最高のシグナル」という従来のテクニカル指標にはないパターン分析もあります。
それを有効活用すると、マーケットを支配する強者らの行動パターンを察知でき、彼らが投資弱者をはめ込むためによく使う「ダマシ」を回避することも可能です。

言ってみれば、「値動きに生じたダマシ自体もまた有効なシグナルであり、ダマシがあったからこそより有効になる可能性がある」という点が、プライスアクションの奥深さや醍醐味を表す本質的な部分と言えます。

  • 「利益はすべて値動きから生まれる」
  • 「未来を予想するには値動きを分析するしかない」
  • みんなが注目しているから当たりやすい」
  • 「ダマシにも対処法があり、ダマシこそ最強のシグナルになりうる」

こうした基本原理は、プライスアクションが「相場参加者の最大公約数(共通見解)」といっていい理由です。

つまるところ、「なぜプライスアクションが必要か」を問うのは、魚になぜ水が必要かを問うような愚問でしかありません。
プライスアクションの本質とは、相場そのものと悟るべきです。

Provided by
陳 満咲杜(まさと)

中国・上海生まれ。
1992年来日、日本語学校を経て日本大学経済学部に入学。
生活費と学費をアルバイトでまかないながら在学中より株式投資を開始。
大学卒業後、中国情報専門紙の株式担当記者を経て黎明期(1999年)のFX業界へ。
香港や米国の金融機関で実務を重ね、トレーダーとしての経験を積む。
GCAエフエックスバンク マネージングディレクター、イーストヒルジャパン チーフアナリストを経て独立。
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

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