クロス円とは|定義や特徴・通貨ペア例を解説
クロス円とは、基軸通貨である米ドル以外の通貨と日本円を組み合わせた通貨ペアのことです。
本記事ではクロス円とは何か、クロス円の主な通貨ペアの例や特徴、よくある疑問について解説していきます。
クロス円とは
クロス円とは、外国為替市場で米ドル以外の通貨と日本円を組み合わせた通貨ペアのことです。
ここでは、クロス円に関する以下のテーマについて解説します。
- ・クロス円の定義
- ・クロス円の特徴
- ・ドルストレートとは
クロス円の定義
クロス円とは、外国為替市場で米ドル以外の通貨と日本円を組み合わせた通貨ペアのことです。
外国為替市場では、基軸通貨である米ドルを介した形で取引されます。
例えば、FXの取引で英ポンド/円を取引する場合、外国為替市場では下図のように英ポンド/米ドルと米ドル/円の2つの取引を行っています。
基軸通貨(米ドル)を介した形(クロス)で取引されることから、FX市場では米ドルを含まない日本円との通貨ペアのことを一般的にクロス円と言います。
クロス円の特徴
クロス円の特徴として、日本人にとって馴染みやすい「〇〇〇.〇〇円」という形式の価格表示であるという点が挙げられます。
その他の円が含まれない通貨ペアでは、「〇.〇〇ドル」や「〇.〇〇ポンド」と表示価格が異なります。
クロス円の通貨ペアは、世界の取引量シェアランキングのトップ10に入っておらず(米ドル/円は世界第2位の取引量ですが、ドルストレートのため今回はランキングに含めていません)、主に日本人投資家の取引が多いと推測できます。
ドルストレートとは
米ドルとの組み合わせの通貨ペアのことを、ドルストレートと呼びます。
外国為替市場で取引をする際には、基軸通貨である米ドルを介する形で取引されます。
外国為替市場では、ドルストレートの取引が基本(クロス通貨の場合は2つのドルストレート取引の組み合わせになるため)なので、必然的にドルストレートの取引量が多くなります。
クロス円の主な通貨ペア
ここでは、クロス円の主な通貨ペアに関して解説します。
- ・具体的なクロス円の通貨ペア例
- ・人気のあるクロス円通貨ペア
通貨ペアのシェアについては、こちらの記事「国内と海外の通貨ペア別のシェアについて」で解説しています。
具体的なクロス円の通貨ペア例
通貨はメジャー通貨とマイナー通貨に分類できます。
メジャー通貨 | マイナー通貨 |
---|---|
米ドル:USD(基軸通貨) | メキシコペソ:MXN |
ユーロ:EUR | トルコリラ:TRY |
日本円:JPY | 南アフリカランド:ZAR |
英ポンド:GBP | 中国人民元:CNY |
豪ドル:AUD | 韓国ウォン:KRW |
NZドル:NZD | ブラジルレアル:BRL |
カナダドル:CAD | スウェーデンクローナ:SEK |
スイスフラン:CHF | ノルウェークローネ:NOK |
メジャー通貨と組み合わせたクロス円の例
- ・EUR/JPY(ユーロ/円)
- ・GBP/JPY(英ポンド/円)
- ・AUD/JPY(豪ドル/円)
- ・CAD/JPY(カナダドル/円)
- ・CHF/JPY(スイスフラン/円)
マイナー通貨と組み合わせたクロス円の例
- ・MXN/JPY(メキシコペソ/円)
- ・TRY/JPY(トルコリラ/円)
- ・ZAR/JPY(南アフリカランド/円)
なお、FX会社によって取引できる通貨は異なります。
人気のあるクロス円通貨ペア
BIS(世界の為替取引量調査)の調べでは、世界の取引通貨ペアのシェアランキングトップ10にクロス円は含まれていません。
第1位はEUR/USD(ユーロ/米ドル)、第2位はUSD/JPY(米ドル/円)、第3位はGBP/USD(英ポンド/米ドル)となっています。
一方、日本の取引通貨ペアのシェアランキングでは、USD/JPY(米ドル/円)の取引シェアが90%近くと圧倒的に占めています。
クロス円に関するQ&A
なお、USD/JPY(米ドル/円)に続いて、EUR/JPY(ユーロ/円)、GBP/JPY(英ポンド/円)、AUD/JPY(豪ドル/円)となっています。
クロス円に関するよくある疑問について解説します。
- ・クロス円に影響を与える要因は?
- ・クロス円を取引する際の注意点は?
- ・クロス円における円安・円高とは?
クロス円に影響を与える要因は?
クロス円に影響を与える1つの要因は、日本銀行の金融政策です。
一般的に、日銀が緩和政策を実施すると円安が進み、引き締め政策を実施すると円高が進むと考えられています。
日銀の金融政策以外にも、日本政府による政策や、日本の経済指標の結果なども、クロス円に影響を与える場面があります。
クロス円を取引する際の注意点は?
クロス円は、世界的に見ると取引量の少ない通貨ペアです。
取引量が少ないということで、相場が急激な値動きとなる場面があります。
値動きが激しい相場では、大きな利益が期待できる反面、損失のリスクも同時に大きくなるため、注意が必要です。
クロス円における円安・円高とは?
クロス円の通貨ペアをチャートで見た場合、円安は上昇、円高は下落となります。
例えばユーロ/円の場合、ユーロが買われて円が売られている場合が円安で、ユーロ/円は上昇方向に動きます。
対して、ユーロが売られて円が買われている場合が円高で、ユーロ/円は下落方向に動きます。
【まとめ】クロス円とは|定義や特徴・通貨ペア例を解説
クロス円とは、基軸通貨である米ドル以外の通貨と円の組み合わせの通貨ペアのことです。
日本人には馴染みのある通貨ペアですが、世界的に見ると取引量のシェアは少なく、取引量が少ないことから急激な値動きになることがあるので注意が必要です。
人気のクロス円はEUR/JPY(ユーロ/円)、GBP/JPY(英ポンド/円)、AUD/JPY(豪ドル/円)などが挙げられます。
米ドル/円は世界取引量第2位のシェアで、日本の取引量の約90%を占めますが、基軸通貨である米ドルとの組み合わせのため、ドルストレートに分類されます。
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