出来高とは|意味や見方・使い方について解説
出来高とは、取引が成立した数量(取引量)のことです。
ただし、FXやCFDの店頭取引(取引所を介さず、投資家と業者が直接取引する形式)は、株式市場や商品先物市場などの取引所取引と異なるため、市場全体のものを表すわけではないので注意が必要です。
出来高とは
出来高とは、取引が成立した数量(FXやCFDの場合は参考値)のことです。
- ・出来高の意味
- ・出来高の見方
ここでは詳しい内容や見方について解説します。
出来高の意味
上記の通り、株式や商品先物など取引所での取引量のことを、出来高と呼びます。
ただし、FXやCFDは株式取引のように取引所を介さず、業者と投資家が直接取引する店頭取引という形式です。
そのため、取引所取引の出来高と異なり、FXやCFDの出来高は市場全体のものを表すわけではなく、ティックの更新回数(売買の成立により価格が変動した回数)を示す参考値です。
出来高からは、以下のようなポイントを読み取ることができます。
出来高のポイント | |
出来高の増加 | 価格上昇(トレンド発生) |
出来高のさらなる増加 | 天井が近い |
出来高の減少 | 株価下落(トレンド衰退) |
出来高のさらなる減少 | 底が近い |
出来高の見方
【PC版】
MT4では「出来高」、一方でMT5では「ティックボリューム」と表記が異なりますが、これらを表示させることで出来高を確認できます。 MT5で表示させるには、チャート上で右クリックし「ティックボリューム」を選択するだけです(MT4では「出来高」を選択します)。通常、これらは緑色のヒストグラムとしてデフォルトで表示され、チャートの下部に配置されます。
出典:MT5
【スマホ版】
スマホアプリのMT4で「出来高」を表示させるには、アプリ下部の「設定」をタップして開きます。
設定の中にある「チャート」をタップし「ボリューム」をチェックすると、チャート下部に緑色のヒストグラムで「ティックボリューム」が表示されます。
出典:MT4
MT4およびMT5において表示される「出来高」は、売買数量ではなく、ティックの更新回数です。
言い換えれば、売買の成立により価格が変動した回数を示しています。
出来高の使い方
テクニカル指標は、一般的にはトレンド系とオシレーター系に大別されますが、さらに出来高系というジャンルに細分化されることがあります。
ここでは、MT4/MT5で使える以下3つの出来高系テクニカル指標を紹介します。
- ・アキュムレーション・ディストリビューション
- ・OBV
- ・マーケット・ファシリテーション・インデックス
アキュムレーション・ディストリビューション
アキュムレーション・ディストリビューションは、投資家ラリー・ウィリアムズが生み出したテクニカル指標の一種です。
買いのエネルギーによる価格の上昇はアキュムレーション(Accumulation:蓄積)、売りのエネルギーによる価格の下落はディストリビューション(Distribution:発散)と呼ばれます。
このアキュムレーションとディストリビューションの累積値をグラフ化したものがA/Dラインで、MT4/MT5では「A/D」として標準的に利用されています。
出典:MT4
FX取引においてA/Dを活用する際には、一般的にダイバージェンス(ローソク足とテクニカル指標の逆行)が売買のシグナルとなります。
【A/Dの売買シグナル】 | |
買いシグナル | 相場が下がっているときにA/Dが上昇 |
売りシグナル | 相場が上がっているときにA/Dが下降 |
また、TradingViewでA/Dを設定する方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
OBV
OBVは、米国のアナリストであるジョセフ・E・グランビルが開発したテクニカル指標で、「On Balance Volume(オン・バランス・ボリューム)」の略です。
これは価格と出来高のデータを基に作られる指標です。
市場の売買動向は、買いと売りの差し引きで(On Balance)、買いが勝っている時は価格が上昇し、売りが勝っている時は価格が下落します。
価格が上昇した場合の出来高は、買いの出来高としてプラスし、価格が下落した場合の出来高は、売りの出来高としてマイナスします。
この差し引きの総量(Volume)を分析することで、相場の実態をつかむと同時に取引のタイミングを計ることが可能です。
出典:MT4
出来高を分析することで、相場の圧力を測ります。
上昇トレンドにおける買い圧力の低下や、下降トレンドにおける売り圧力の低下は、価格がトレンド転換する前に現れる傾向です。
「出来高は価格に先行する」という所以で、ダイバージェンス(ローソク足とテクニカル指標の逆行)によってトレンド転換の可能性を見極められます。
MT4/MT5での、デバイス毎の設定方法は下記の記事で詳しく解説しています。
- MT4でOBVを設定する方法(PC)
- MT4でOBVを設定する方法(iOS)
- MT4でOBVを設定する方法(Android)
- MT5でOBVを設定する方法(PC)
- MT5でOBVを設定する方法(iOS)
- MT5でOBVを設定する方法(Android)
マーケット・ファシリテーション・インデックス
マーケット・ファシリテーション・インデックス(Market Facilitation Index)は、ビル・ウィリアムズが開発した出来高系のテクニカル指標です。
MT4/MT5には「Market Facilitation Index」として搭載されています。
同氏はさまざまなテクニカル指標を開発しており、MT4/MT5のインジケーターのカテゴリーでは「ビル・ウィリアムス系」としてまとめられています。
マーケット・ファシリテーション・インデックスは、4色のヒストグラムで構成されており、インデックス(=係数×{(高値+安値)÷2}÷出来高)と、出来高の組み合わせで色分けされます。
出典:MT4
【マーケット・ファシリテーション・インデックスのポイント】 | |
黄緑色 | インデックス上昇+出来高増加→トレンドの発生 |
茶色 | インデックス下降+出来高減少→トレンドの終焉 |
青色 | インデックス上昇+出来高減少→スペキュレーション(投機)の動き |
桃色 | インデックス下降+出来高増加→様子見 |
この指標は、主にトレンド(黄緑色)の発生を示すために設計されましたが、単体ではダマシが発生しやすい特性があります。
そのため、他のテクニカル指標と組み合わせて使用し、補完的な役割として適切に活用されることが望ましいです。
出来高に関するQ&A
出来高に関して、よくある以下の疑問について解説します。
- ・出来高の代わりはありますか?
- ・出来高は意味がないといわれますが本当ですか?
- ・出来高の確認方法はありますか?
出来高の代わりはありますか?
MT4/MT5では、ティックの更新回数(売買の成立により価格が変動した回数)を出来高の参考値として表示することができます。
また、出来高は取引量のことですが、「オープンオーダー」「オープンポジション」では、どのくらい注文があるのか、どのくらい取引があるのかなど、取引の状況を確認することができます。
OANDA証券ではMT4/MT5で使える「オーダーブックインジケーター」やWebで確認できる「オープンポジション」を提供しています。
出来高は意味がないといわれますが本当ですか?
出来高指標単体では、ダマシが発生しやすい特性があります。
また、FXやCFDは取引所取引の出来高と違い、市場全体の取引を表すわけではなく、ティックの更新回数(価格が変動した回数)を示す参考値です。
このことから出来高は意味がないといわれることもありますが、他のテクニカル指標と組み合わせて、補完的な役割として使用することができます。
出来高の確認方法はありますか?
MT4では「出来高」、MT5では「ティックボリューム」と表記が異なりますが、どちらも出来高を指しており、これらを表示させて確認することができます。
MT4/MT5ともに緑色のヒストグラムとして、チャートの下部に表示されます。
詳しい表示方法は、上記「出来高の見方」で解説しています。
【まとめ】出来高とは|意味や見方・使い方について解説
出来高とは、株式や商品先物などの売買量を表したものです。
ただし、FXやCFDにおける出来高は、ティックの更新回数を表したもので、株式や商品先物での出来高とは異なり、あくまでも参考値です。
出来高を使ったテクニカル指標に「アキュムレーション・ディストリビューション」「OBV」「マーケット・ファシリテーション・インデックス」などがありますが、単体ではダマシが発生しやすいので他のテクニカル指標と組み合わせて使用されることが一般的です。
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