FX初心者の方

米ドルの特徴


世界一の取引量、リスク回避で買われることも


経済、軍事共に世界一の強さを誇る米国の通貨である米ドルは信頼度が高く、基軸通貨として、世界中の貿易、金融取引等で使われるほか、外貨準備としての需要も多く、世界中で流通しています。

BISが発表した資料によると2016年の通貨別の取引シェアを見ると40%以上と外国為替取引の多くがドルを介した取引となってます。

世界中で取引されているため、流動性が高い通貨であるため、市場のリスク回避色が強まるような場面では円やスイスフランに次いで買われやすいという特徴があります。

 

【2016年の通貨別シェア】

BISの世界の外国為替取引市場の通貨別シェア

出所:BIS

 

ただし、注意したいのは、かつては「有事のドル買い」という言葉があるくらい、何か有事があるとドルが買われる傾向が強かったのですが、2011年の同時多発テロ以来、ドル売りで反応することも増えています。

特に米国で発生したリスクの場合はドルが売られるというパターンも考えられるため、リスクがどこにあるのかを柔軟に考え、状況に併せて対応する必要があります。

 

米ドルに影響を与える要因


米ドルは米国の通貨であるため、やはり、米国の中央銀行であるFRBの動向や米国経済に関する報道の影響を受けます。

 

FRBの金融政策


米国の金融政策は年8回行われるFOMC(連邦公開市場委員会)で決定されます。

このFOMCに置ける金融政策の決定事項、声明文や議長の記者会見、議事録などの補助材料からの今後の金融政策の方向性によって米ドルが過敏に反応する傾向があります。

基本的には米国が金融引き締めに向かう局面では米ドル買いが強まり、金融緩和に向かう局面では米ドル売りが強まるという傾向があります。

FOMC(連邦公開市場委員会)

 

FRBに関してはこちらのページもご参照ください。

米国の中央銀行(FED、FRB)の仕組み

FOMC(連邦公開市場委員会)後の情報収集について

FRBの政策金利の市場織込み度はどこでチェックする?

 

米国の経済指標


FRBは、米国経済が好調な状態が続くときは景気過熱による物価上昇を抑えるために金融引き締めを行います。

具体的には政策金利を引き上げたりして、景気の加熱を和らげようとします。

一方で経済が減速し、物価上昇率が低下するような場合は景気を刺激するための金融政策を行います。

具体的には政策金利を引き下げたり、国債等の債券を買い入れて市中にお金が出回りやすくし景気を刺激し、物価上昇を促します。

一般的には金融引き締め型の金融政策は通貨の価値を引き上げるものであるため、米ドルの買い材料となり、金融緩和型の金融政策は通貨の価値を引き下げるための金融政策であるため、米ドル売りの材料となります。

ただし、物価の上昇率が他国に比べ、高い状態が中長期的に続くようであれば、一物一価の原則を考えると、通貨の価値が下がっている状況となり、売り材料となる場合もあります。

 

米国債利回りとの関係


米国債利回りと米ドルの関係は、市場のリスク許容度が拡大する局面での米国債利回り上昇は米ドル買い材料となりますが、米国債の信用低下による金利上昇はドル売り材料となるため、金利の上昇要因により影響が異なります。

次のチャートはドルインデックスと米国10年、2年債利回りの動きを比較したものですが、相関性が出ている局面と出ていない局面が別れており、相関性を見出すのは難しそうです。

 

【ドルインデックスと米国2年債利回り、10年債利回りの比較チャート】

ドルインデックスと米国2年債利回り、10年債利回りの比較チャート

ただし、FX市場では通貨ペアごとの取引となるため、もう一方の通貨の国の国債利回りも併せてチェックすると相関性が見えてくる場合があります。例えば、次のチャートはUSDEUR(1で EURUSDを割ったもの)と米国10年債利回りからドイツ10年債利回りを引いたものを比較していますが、2つのデータでは方向性が重なる場面が多く、これらをチェックしているとトレンドを掴みやすくなるかもしれません。

ドル円であれば、米国債と日本国債の利回り差、ポンドドルであれば、米国債と英国債の利回り差と相関が出ることが多いです。

 

【USDEUR(1/EURUSD)と米国10年債利回りー独10年債利回りの比較】

USDEURと米国10年債利回りー独10年債利回りの比較チャート

 

金市場とは逆相関


米ドルと金市場は逆相関の関係になる傾向があります。

つまり、米ドルが高くなると、金市場が下落し、米ドルが安くなると金市場が上昇します。お金の価値が下がると、モノの値段が上昇し、お金の価値が上がると、モノの値段が下落するという関係です。

原油市場などでもこの傾向は出てきますが、原油市場は他の要因で上下動することが多いため、金市場の方が逆相関性が出やすくなっています。

次のチャートはユーロドルと、ドルの相対的な強弱を示すドルインデックスで割った数値、金価格をグラフで比較したものですが、強い相関関係となっているのが確認できると思います。

 

【金とドルの値動きの比較】

金とドルの値動きの比較

 

※ドルインデックスは1で割ることにより、チャートが上下逆になるように表示しています。


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