テクニカル分析解説

グランビルの法則の買いサイン1・売りサイン5を使った取引手法


ユーロドル日足でサインを確認


グランビルの法則には、4種類の買いサインと、4種類の売りサインがあり、それぞれ移動平均線(期間200)と価格の位置関係から売買シグナルを発します。概念図で説明されることが多いですが、ここでは実際のチャートを用いながら実例を見ていきましょう。今回は、トレンド転換(新トレンドの初動)で発生する買いサイン1および売りサイン5についてまとめます。

                 
買いサイン1移動平均線が下落後、横ばい、または上向きに転じたときに価格が移動平均線を下から上に突き抜けた場合
売りサイン5移動平均線が上昇後、横ばい、または下向きに転じたときに価格が移動平均線を上から下に抜けた場合

ユーロドルの日足チャートを、2021年11月から過去へ戻っていく形式で、それぞれのサインを見ていきます。サイン発生後に「どんな値動きを見せたのか」「どれくらいの値幅を動いたのか」「その期間はどれくらいか」をまとめてみましょう。

ユーロドルの日足チャート(2018年3月~2021年9月)

(2018年3月~2021年9月)

                                                                                                 
発生場所 サイン サイン後の値動き 最大値幅 最大値幅までの期間
A売りサイン5移動平均線付近まで戻る動きがあり、それから再下降(約450pips:トレンド継続中)(約80日:トレンド継続中)
B買いサイン1勢いよく移動平均線から乖離して上昇約1300pips約160日
C売りサイン5移動平均線近くまで戻る動きを繰り返し、なだらかに下降約1300pips約490日

ユーロドルの日足チャート(2014年4月~2017年10月)

(2014年4月~2017年10月)

                                                                                                 
発生場所 サイン サイン後の値動き 最大値幅 最大値幅までの期間
D買いサイン1移動平均線まで押す動きがあり、それから再上昇約1700pips約210日
E買いサイン1ダマシとなり、もみ合いが継続(ダマシ)(ダマシ)
F売りサイン5移動平均線まで戻る動きがあり、それから鋭角に下降約3200pips約200日

ユーロドルの日足チャート(2010年12月~2014年7月)

(2010年12月~2014年7月)

                                                                 
発生場所 サイン サイン後の値動き 最大値幅 最大値幅までの期間
G買いサイン1移動平均線まで押す動きがあり、それからは勢いのない上昇が継続約1100pips約430日
H売りサイン5大きく下げるも同じ値幅を切り返して上昇。その後、強い勢いでの下降と上昇を繰り返す約1900pips約230日

買いサイン1および売りサイン5は、トレンドの初動を見極められるサインなので、大きな値幅を獲得できる期待が持てます。とはいえ、サイン発生後に移動平均線まで戻る動きや、そのままダマシとなってしまうこと、方向感の乏しいもみ合い相場が続いてしまうケースも多いことを把握しておく必要があるでしょう。

なお、日足ベースでのトレードの場合、数年越しでポジションを保有する超長期トレードになることもあるので注意が必要です。その場合は長期にわたって証拠金が拘束されてしまうというデメリットがあります。4時間足や1時間足に落とし込んで、トレンドの方向に従ってスイングトレードやデイトレードをするという戦略も有効です。


トレードアイデア


買いサイン1と売りサイン5は、トレンドの初動から値幅を大きく狙えるのが特徴です。その決済ポイントとしてはトレンドが転換する箇所、つまり買いなら売りサイン5、売りなら買いサイン1を候補に考えることができます。早期の利食いを我慢することで、結果として大きな値幅の獲得が期待できます。

                 
エントリー買いサイン1が発生したら買い
決済売りサイン5が発生したら決済。損切りは直近安値に逆指値注文を入れる

ユーロドルの日足を用いて上記のルールでトレードした事例

上画像はユーロドルの日足を用いて上記のルールでトレードした事例です。買いサイン1発生のタイミング(2006年3月)でエントリーし、売りサイン5発生のタイミング(2008年8月)で決済した場合、約2800pipsもの値幅を獲得することができました。

続いて売りサイン5と、それが発生した後の値動きを確認しましょう。

                 
エントリー売りサイン5が発生したら買い
決済買いサイン1が発生したら決済。損切りは直近高値に逆指値注文を入れる

ドル円の日足を用いて上記のルールでトレードした事例

上画像はドル円の日足を用いて上記のルールでトレードした事例です。売りサイン5発生のタイミング(2007年7月)でエントリーし、買いサイン1発生のタイミング(2012年2月)で決済した場合、約3900pipsもの値幅を獲得することができました。


本記事の監修者・平野朋之


ネット証券で、FX業務全般、自己売買部門のディーラー、投資情報室の情報発信、セミナー講師などの業務に携わる。現在は独立して株式会社トレードタイムを設立。マーケット情報の発信や投資教育を行うかたわら、オリジナル手法での自己売買も精力的に行う。

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OANDA証券ではグランビルの法則に関する基礎知識や専門家による監修記事など、豊富に提供しています。特に専門家の監修記事では、全8種類あるグランビルの法則の売買サインを一つ一つ詳しく解説しています。また日経平均株価(JP225CFD)NYダウ(US30CFD)米ドル円(USD/JPY)の値動きも分析しています。グランビルの法則を使い取引をしたいと考えているのであれば、ぜひご参考ください。


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