用語解説

順張りとは|意味・ポイント・使えるインジケーターを紹介


FX取引の基本的な売買スタイルの1つに「順張り」があります。

順張りは「トレンドと同じ方向のポジションを持つ」売買スタイルです。

順張りをする上で、トレンドの方向やエントリーのタイミングを正しく見極めるためには、知識や経験が必要です。

本記事では、順張りを行う上で必要なポイントや使えるインジケーターなどを解説していきます。

順張りとは

ここでは、順張りの読み方や意味、逆張りとの違いを説明します。

  • ・読み方
  • ・意味
  • ・逆張りとの違い

読み方

順張りの読み方は「じゅんばり」です。

トレンドフォロー(Trend Follow)と呼ばれることもあり、対義語は逆張り(ぎゃくばり)です。

意味

順張りの意味

FX取引における順張りとは、相場の流れと同じ方向のポジションを持つことを言います。

上昇トレンドの場合は買い、下落トレンドの場合は売りの取引を行います。

FX市場では、トレンドが発生するとしばらく続くことがあるため、順張りは王道とされるトレード手法です。

逆張りとの違い

FX取引における逆張りとは、相場の流れと逆の方向のポジションを持つことです。

相場が上昇トレンドの場合は売り、下落トレンドの場合は買いのトレードを行います。

トレンドには必ず終わりがあるため、一定期間継続したトレンドは「終了して反転する可能性」があります。

その可能性が高いと判断した時に、逆張りを行います。

逆張りの意味

上昇トレンドで逆張りする場合の逆張りの意味は、「売りから入る」ことであり、新規ポジションを持つ」ことになります。

狙い通りに相場が下がれば、その売りポジションを決済して利益を出せます。

順張りのポイント

FX取引において順張りでエントリーする際のポイントは、以下の通りです。

  • ・トレンドに乗る
  • ・オシレーターで相場の過熱感を判断する
  • ・損切りをあらかじめ決めておく

トレンドに乗る

順張りの基本のポイントは、その時点で発生しているトレンドに従ってエントリーすることです。

上昇トレンドにおいて一時的に下がったタイミングで買うことを「押し目買い」、下落トレンドにおいて一時的に上がったタイミングで売ることを「戻り売り」と呼びます。

押し目買いは、より安い価格で買うことを、戻り売りはより高い価格で売ることを意図した方法です。

上昇トレンド・下降トレンド比較

他方、すでに発生しているトレンドに乗る方法ではなく、「新たにトレンドが発生したタイミング」を狙うのも、順張りのエントリーポイントとなります。

例えば、以下のような「レンジやペナントのブレイク」が発生する相場では、それぞれ上に抜けたら買い、下に抜けたら売りでエントリーします。

レンジ上昇と下降比較

ペナントの上昇・下降比較

これらはトレンドの初動を狙えるため、大きな値幅が期待できます。

オシレーターで相場の過熱感を判断する

オシレーターとは、相場の過熱感を分析するためのインジケーター(テクニカル指標)です。

オシレーターを用いることにより、現在の相場が「売られすぎ・買われすぎ」のいずれかを分析できます。

上昇トレンドで「買われすぎ」の場合や、下落トレンドで「売られすぎ」の場合は、トレンドが停滞または反転する可能性が高いと考えられるため、順張りすべきタイミングではないと判断できます。

主要なオシレーターとしては、MACD(マックディ)RSI(相対力指数)があります。

損切りをあらかじめ決めておく

損切りとは含み損が発生しているポジションを決済し、それ以上の損失拡大を防ぐことです。

エントリー後にトレンドが転換する可能性もあるため、FX取引では損切りをあらかじめ決めておくことが基本であり、順張り手法でも同様です。

損切りのラインは、「1回の取引で○○円の損失が出たら損切り」と損失額で設定する考え方や、「○○pips変動したら損切り」と値幅(pips)で設定する考え方があります。

損切りを決めていないと「相場がまた回復するかもしれない」と根拠のない理由でポジションを保有し続け、大きな損失が生じてしまう可能性があるため注意しましょう。

順張りにおすすめのテクニカル分析

順張りにおすすめのテクニカル分析は以下の3つです。

  • ・トレンドライン
  • ・移動平均線
  • ・RSI

トレンドライン

トレンドラインは「チャート上の高値同士(安値同士)の2点以上を結んだ線」のことで、テクニカル分析で使われる指標の1つです。

押し目(下値支持)や戻り(上値抵抗)として機能する傾向があるため、順張りのエントリーポイントの目安として活用できます。

高値同士を結んだラインは「レジスタンスライン(上値抵抗線)」、安値同士を結んだラインは「サポートライン(下値支持線)」と呼びます。

サポート・レジスタンス

トレンドラインの使用方法は、下落トレンドにおいて為替レートがレジスタンスライン付近まで上がったタイミングで「売り」でエントリーします。

「売り」でエントリー

出典:TradingView

また、上昇トレンドの場合には為替レートがサポートライン付近まで下がったタイミングで「買い」でエントリーします。

「買い」でエントリー

出典:TradingView

なお、トレンドラインをブレイクした場合には、トレンドが転換する可能性が示唆されるため注意が必要です。

移動平均線

移動平均線は「ある一定期間の終値の平均値を結んだ線」のことで、人気のあるテクニカル指標の1つです。

一般的に、右肩上がりであれば「上昇トレンド」、右肩下がりであれば「下落トレンド」というように、相場の流れの判断材料として使用されます。

また、以下の2つのサインは、順張りのエントリータイミングとしても有効です。

  • ・ゴールデンクロス:短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜けた場合に「買いサイン」
  • ・デッドクロス:短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に突き抜けた場合に「売りサイン」

順張りのエントリータイミング

出典:TradingView

RSI

RSI(Relative Strength Index)は、相場の過熱感を表すオシレーター指標で、一般的に20〜30%以下が売られすぎ、70〜80%以上が買われすぎを意味します。

RSIは、逆張り手法で使用されることが多いオシレーターですが、順張り手法でも活用できます。

順張り手法ではRSIの50%ラインを基準とし、そのラインを下から上に抜けると上昇トレンド、上から下に抜けると下落トレンドが継続しやすいと考えられます。

そのため、RSIが50%を上に抜けたタイミングで買い注文を入れ、RSIが50%を下に抜けたタイミングで売り注文を入れます。

RSIが50%を下に抜けたタイミングで売り注文

出典:TradingView

順張りの注意点

順張りの注意点は以下の通りです。

  • ・高値掴みに注意する
  • ・ダマシに注意する

高値掴みに注意する

順張りを行う際には、高値掴みに注意が必要です。

高値掴みとは、「相場の高値圏で買ってしまい、その後価格が下落している状態」のことを指し、最も高いところで買ってしまうことを「天井掴み」と言います。

また、相場の安値圏で売ってしまい、その後価格が上昇している状態を「安値掴み」と言います。

安値掴み

出典:TradingView

高値掴み(安値掴み)を避けるためには、トレンドが継続するのか判断することが重要です。

また、トレンドが転換したと判断できた際には、損切りが必要です。

順張りのトレードを行う際には、トレンドはいつか終わるということを前提にしておく必要があります。

ダマシに注意する

順張りを行う際には、ダマシにも注意が必要です。

ダマシとは一般的に「売買シグナルと反対方向へ価格が変動すること」を意味します。

例えば、下画像のようにサポートラインで反発すると想定して「買い」でエントリーしても、そのまま価格が下降し、結果としてダマシが発生する可能性があります。

ダマシが発生

出典:TradingView

ダマシへの対策として、複数のテクニカル指標を用いて分析することや、売買シグナルが出た後、すぐにエントリーするのではなく、様子を見てからエントリーすることが有効です。

FXの順張りに関するQ&A

FX取引における順張りに関して、よく見られる疑問点は以下のようなものです。

  • ・順張りと逆張りどっちの方がおすすめですか?
  • ・押し目買いとは何ですか?

順張りと逆張りどっちの方がおすすめですか?

順張りと逆張りのどちらが適しているかは、相場によって異なります。

簡単に分類すれば、トレンド相場では順張り、レンジ相場では逆張りが適しています。

トレンド相場では、トレンドの方向に従いながら「押し目買い・戻り売り」によってエントリーするのが王道です。

一方、レンジ相場では「レンジの上限・下限」に価格が到達した時点でエントリーします。

順張りと逆張りのエントリータイミング

上図のように、レンジ相場では一定の範囲内で価格が上下を繰り返します。

このレンジの上限・下限に到達したら反転する可能性が高いと考え、上限なら売り、下限なら買いのポジションを建てます。

このように、順張りと逆張りにはそれぞれに適した相場があります。

押し目買いとは何ですか?

押し目買いとは、上昇トレンドにおいて一時的に価格が下がったタイミングで買いを入れるエントリー方法のことです。

押し目のエントリーポイント

上図は上昇トレンドを表していますが、その中で一時的に下落している部分があります。

このような「上昇基調にある中で一時的に価格が下押しするところ」を押し目と呼びます。

この押し目で買いを入れるエントリー方法が、押し目買いです。

押し目買いと対になるエントリー方法は「戻り売り」です。

戻り売りでは下図のように、下落トレンドで一時的に価格が戻って上昇したタイミングで、売りを入れます。

戻り売りのエントリーポイント

押し目買い・戻り売りのどちらも、1つのトレンド相場で複数のエントリーポイントが発生することがあります。

【まとめ】順張りとは|意味・ポイント・使えるインジケーターを紹介

FX取引における順張りとは、トレンドの方向に従って価格が上昇している時に買い、下落している時に売るという取引スタイルです。

スタイル自体はシンプルですが、上昇トレンド・下落トレンドを正しく見極めるための知識や経験が必要です。

このトレンドを見極める上で、役立つツールの1つがインジケーター(テクニカル指標)です。

トレンドの発生や継続を判断できるトレンド系指標や、相場の過熱感を見極めるオシレーター系指標があり、相場分析に役立ちます。

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