用語解説

FXのスプレッドとは?計算方法や広がる要因、取引コストを抑える方法


FXのスプレッドとは、売値(Bid)と買値(Ask)の差です。
未実現損失(まだ実現していない損失)として取引ごとに計上されるので、投資家にとってのコストにあたります。
そのため取引手数料のようなものと考えてよいでしょう。

スプレッドは、取引を行う金融商品やFX会社の各通貨ペアによって変わります。
スプレッドの値が小さい(コストが安い)ことを狭い、値が大きいことを広いと表現します。
スプレッドは狭いに越したことはありませんが、それで取引コストが抑えられるかと言えばそうではありません。

本記事ではFX初心者の方に向けて、スプレッドの仕組みや取引コストの抑え方などについて詳しく解説します。

なお、記事の前半ではスプレッドの仕組みについて解説しています。
FXの取引コストを抑える方法について知りたい方は、以下のボタンを押してください。


FXの取引コストを抑える方法ボタン


1.FXのスプレッドとは?

冒頭でも述べたようにFXのスプレッドとは、売値(Bid)と買値(Ask)の差です。
未実現損失(まだ実現していない損失)として取引ごとに計上されるので、取引手数料のようなものと考えてよいでしょう。

FXは売りと買いの両方で取引が行え、相場が下降局面や上昇局面のどちらでも利益を狙うことができます。
しかしFX取引では、売る場合と買う場合の価格が異なります。
以下の画像は、OANDA証券の注文画面です。
(※こちらはMT5(東京サーバー)のワンクリック注文の例)

FXのスプレッドとは?
※MT5(東京サーバー)のワンクリック注文の画像は2022年6月17日現在

上記画像ではSELL(売値)が133.141円、BUY(買値)が133.144円と表示されています。
つまり売る時の価格が133.141円、買う時の価格が133.144円です。

また売値と買値に差額が発生しており、その差額こそが「スプレッド」です。
上記画像の例では、3銭(133.141円-133.144円=−3銭)のスプレッドが発生しています。

前述したようにスプレッドは未実現損失として、取引ごとに計上されます。
以下の動画は、注文の発注後にスプレッドが計上されているものです。

注文の発注後にスプレッドが計上されているもの

FXでは注文を発注すると必ずスプレッドが未実現損失として計上されるので、マイナス収支からのスタートです。
スプレッドが狭いほど計上される金額も少なくなるので、お客様にとって有利な取引が行えます。

しかしスプレッドが狭いだけでは、取引コストを抑えられません。
取引コストの抑え方については、記事の後半にある「5.スプレッドが狭いと取引コストを抑えられる?」で解説しています。

続いて、スプレッドは実際いくら計上されるのかについて解説します。

2.スプレッドの単位と計算方法

スプレッドの単位は、「銭(せん)」と「pips(ピップス)」の2種類です。
日本円(JPY)を含む通貨ペアを「銭」、日本円を含まない通貨ペアを「pips」と表します。
たとえば米ドル/日本円(USD/JPY)やユーロ/日本円(EUR/JPY)などは「銭」、ユーロ/米ドル(EUR/USD)や英ポンド/米ドル(GBP/USD)などは「pips」です。

銭やpipsを日本円で表すと、以下の通りです。

  • 0.1銭(0.1pips)=0.001円
  • 1銭(1pips)=0.01円
  • 10銭(10pips)=0.1円
  • 100銭(100pips)=1円

スプレッドの単位と計算方法

ただしFX会社やそのFX会社が提供する通貨ペアによって、1pipsの定義(1pips=○○円)は異なります。
OANDA証券が提供する各通貨ペアの1pipsの定義は、以下の通りです。

                                                                                                                               
通貨ペア 1pipsの円換算
米ドル/日本円
(USD/JPY)
0.01円
ユーロ/米ドル
(EUR/USD)
0.0001ドル
ユーロ/日本円
(EUR/JPY)
0.01円
英ポンド/日本円
(GBP/JPY)
0.01円
英ポンド/米ドル
(GBP/USD)
0.0001ドル
豪ドル/日本円
(AUD/JPY)
0.01円
豪ドル/米ドル
(AUD/USD)
0.0001ドル
トルコリラ/日本円
(TRY/JPY)
0.01円
南アフリカランド/日本円
(ZAR/JPY)
0.01円

参考:MT5、MT4、WebツールのPips数の値幅について

また実際の取引では、以下の計算式で未実現損失として計上される金額が求められます。

  • スプレッド×取引数量=未実現損失として計上される金額

たとえばスプレッドが0.1銭の場合、取引数量を変更すると以下のように未実現損失として計上される金額が変わります。

【例】スプレッドが0.1銭(取引数量が1,000通貨と10,000通貨の場合)

取引数量が1,000通貨の場合、未実現損失として計上される金額は「1円」、取引数量が10,000通貨の場合は「10円」です。

スプレッドが0.1銭(取引数量が1,000通貨と10,000通貨の場合)

このように取引数量が変わると、未実現損失として計上される金額も変わります。
ただし冒頭でも述べたように、金融商品やFX会社の各通貨ペアによってスプレッドは変わります。
それぞれどのように変わるのかは以下で見ていきましょう。

3.スプレッドは金融商品やFX会社の各通貨ペアによって変わる

外貨建ての金融商品はFX以外にも、外貨預金や外貨建てMMF(投資信託の一種)などがあり、それぞれ各通貨ペアによってスプレッドが変わります。
また取引を行うFX会社によっても、各通貨ペアのスプレッドが変わります。
それぞれの違いを見ていきましょう。

各金融商品とのスプレッド比較

以下の表は、FXや外貨預金、外貨建てMMFの各通貨ペアのスプレッドを比較したものです。

                                                                                           
通貨ペア FX
(OANDA証券の東京サーバー)
外貨預金(A社) 1外貨建てMMF(A社)
米ドル/日本円
(USD/JPY)
0.3~0.9銭25銭(片道)25銭(往復)
ユーロ/日本円
(EUR/JPY)
0.4~1.4銭25銭(片道)
英ポンド/日本円
(GBP/JPY)
0.9~2.3銭45銭(片道)

※2022年6月21日時点

FXは外貨預金や外貨建てMMFに比べて、非常に狭いスプレッドを提供しています。
たとえば米ドル/日本円を1,000通貨で取引する場合、1回の取引で計上されるスプレッドはそれぞれ以下の通りです。

  • ・FXの場合(スプレッド0.3銭)
    0.3銭(0.003円)×1,000通貨=3円
  • ・外貨預金の場合
    50銭(0.5円)×1,000通貨=500円

外貨へ投資する金融商品の中では、FXのコストが非常に安いことが分かります。

続いて、FX会社が提供する各通貨ペアのスプレッドの違いについて見ていきましょう。

FX会社の場合

以下の表は、OANDA証券と他社の各通貨ペアのスプレッドを比較したものです。

                                                                                                                         
通貨ペア FX
(OANDA証券の東京サーバー)
A社 B社
米ドル/日本円
(USD/JPY)
0.3~0.9銭0.2銭0.2銭
ユーロ/米ドル
(EUR/USD)
0.5~0.8pips0.3pips0.3pips
ユーロ/日本円
(EUR/JPY)
0.4~1.4銭0.4銭0.4銭
英ポンド/日本円
(GBP/JPY)
0.9~2.3銭0.7銭0.8銭

※2022年6月21日時点

FX会社が提供する各通貨ペアによって、スプレッドに違いがあります。
しかしFX会社が提示するスプレッド=取引コストではありません。
スプレッドの狭さだけが取引コストではない理由については、「5.スプレッドが狭いと取引コストを抑えられる?」で解説しています。

またFX会社によってスプレッドが異なるのは、外国為替市場のレートを元にFX会社自体がお客様に提供するスプレッドを決めているからです。
本来ならばスプレッドは市場のレートに合わせて変動するものですが、お客様が安定した取引を行えるよう「原則固定」が主流となっています。

    ・スプレッドの原則固定とは?
    原則固定とは外国為替市場のレートに関わらず、公開しているスプレッドで固定するという意味です。
    例外を除いては、原則スプレッドは固定されます。

多くのFX会社では、スプレッドを原則固定としています。
しかし例外もあり、公開しているスプレッドよりも拡大してしまうことがあります。
以下で、スプレッドが変動する原因について見ていきましょう。

4.【注意点】スプレッドが変動する3つの原因

スプレッドが変動する原因は、以下3つあります。

  • 市場の流動性が低い時間帯
  • 重要な経済指標が発表される前後の時間帯
  • 突発的な事案が発生した場合

それぞれ詳しく見ていきましょう。

【変動原因1】
市場の流動性が低い時間帯

市場の流動性(取引の参加人数)が低い時間帯は、スプレッドが拡大する傾向にあります。
市場の流動性が低い時間帯は、以下の通りです。

  • 1.日本時間の早朝(5時~8時の時間帯)
  • 2.クリスマス
  • 3.年末年始

また市場の流動性が低いと、急な価格変動が発生しやすいリスクもあります。
日本時間の早朝やクリスマス、年末年始といった流動性が低くなりやすい時間帯では、無理に取引を行う必要はないでしょう。

【変動原因2】
重要な経済指標が発表される前後の時間帯

重要な経済指標が発表される前後の時間帯は、スプレッドが拡大する傾向にあります。
FXの重要な経済指標はいくつかありますが、特に「雇用統計」には注意しましょう。

    ・雇用統計とは?

    雇用統計とは、米国の労働市場を把握する経済指標です。
    原則、毎月第1金曜日に米国労働省から発表されます。
    雇用統計のデータは主に「非農業部門雇用者」「失業率」などが有名ですが、これらの他にも労働市場に関する膨大なデータが公開されます。
    FX市場にも大きなインパクトを与えるものとして、世界中のトレーダーから注目されている経済指標です。

    雇用統計で実際に発表されるデータの見方については、以下の記事を参考にしてください。
    参考記事:米国雇用統計の見方

また雇用統計の発表後は、トレンド(価格が一方方向に動く)が発生する可能性もあります。
安易な気持ちで取引を行えば、大きな損失を発生させてしまうかもしません。
重要な経済指標が発表される前後の時間帯では、取引を控えたほうが良いでしょう。

FX市場に大きなインパクトを与える経済指標は、雇用統計以外にも「消費者物価指数(CPI)」や「GDP」などがあります。
これらの経済指標がいつ発表されるのかは、必ず抑えておきましょう。
各経済指標の発表日は、以下の記事から確認できます。

参考記事:経済指標カレンダー

【変動原因3】
突発的な事案が発生した場合

突発的な事案が発生した場合は、スプレッドが拡大する傾向にあります。
突発的な事案とは、金融危機や災害、テロなど全世界に影響を与えるものです。

たとえば2020年に発生した新型コロナウイルスによる「コロナショック」では、世界中がパニックに陥りました。
FX市場も同様にパニックとなり、原則固定スプレッドを一時停止するFX会社もあったほどです。

突発的な事案はいつ発生するかは誰にも予測できないので、防ぎようがありません。
しかし日々リスクを抑えた取引を行うことで、仮に突発的な事案が発生しても損失を最小限に抑えられるでしょう。

5.スプレッドが狭いと取引コストを抑えられる?

スプレッドが狭いとコストを抑えられるかと言えばそうではありませんが、狭いに越したことはありません。
たとえばスプレッドが0.1銭と0.2銭、0.3銭の場合、取引数量ごとに計上されるスプレッドはどのくらい差があるのかを、以下の表でまとめました。

                                                                                           
スプレッド 1,000通貨 10,000通貨 100,000通貨
0.1銭
(0.001円)
1円
(0.001×1,000)
10円
(0.001×10,000)
100円
(0.001×100,000)
0.2銭(0.002円)2円
(0.002×1,000)
20円
(0.002×10,000)
200円
(0.002×100,000)
0.3銭(0.003円)3円
(0.003×1,000)
30円
(0.003×01,000)
300円
(0.003×100,000)

理論上は、スプレッドは狭いほうが取引コストを抑えられます。
しかしFXでは、取引コストに影響するのはスプレッドだけではありません。
約定スピードやスリッページの発生率も影響します。

スプレッドの狭さでFX会社選びをしてしまうと、結果的により多くの取引コストが発生してしまう可能性もあるでしょう。

たとえばOANDA証券(米ドル/日本円)のスプレッドは0.3銭(原則固定・例外あり)であり、0.2銭を提供している他社と比べ表面的なコストだけを比べると割高に見えます。
しかし0.2銭のスプレッドを提供しても、0.3銭のスリッページが発生すれば実際の取引コストは0.5銭です。

また約定スピードも同様に、スプレッドが狭くても約定スピードが遅ければその分取引コストが発生します。

スプレッドだけではなく、スリッページや約定スピードは見えないコストとしてあなたのトレード戦略、成績に大きく影響します。
FX会社を選ぶ際は、表面的なスプレッドの狭さだけではなく、スリッページ、約定スピードも確認、比較するようにしましょう。

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5.まとめ

本記事では、スプレッドについて解説しました。
最後に、本記事のポイントをまとめておきます。

  • 1.スプレッドとは、売値(Bid)と買値(Ask)の差であり、FXの取引手数料のようなもの
  • 2.スプレッド(未実現損失)×取引数量=未実現損失として計上されるスプレッド
  • 3.スプレッドは常に一定ではなく、金融商品やFX会社の通貨ペアによって異なる
  • 4.流動性が低い時間帯や突発的な事案が発生した場合、スプレッドが拡大する傾向がある
  • 5.スプレッドの狭さだけでFX会社を選んではいけない

なおFXではスプレッド以外にも、レバレッジやロスカットなど様々な専門用語があります。
FXを始めるなら覚えておきたい基礎知識なので、必ず覚えておきましょう。

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